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売買ルールの作り方|条件を数値に変えて検証する
売買ルールとは、対象市場、時間軸、入口、出口、取引量、見送り条件を、第三者が同じ判断へたどり着ける数値で定めた仕様である。曖昧な裁量語を検証可能な条件へ変える5段階と、費用を含めた記入例を示す。
01 — 検証できるルールの条件
売買ルールとは、対象市場、時間軸、入口、出口、取引量、見送り条件を、第三者が同じ判断へたどり着ける数値で定めた仕様である。 「25日移動平均を上抜けたら買う」と書いただけでは、判定時点、注文価格、損切り、数量が決まっていない。 同じチャートを見ても結果が変わるなら、検証しているのはルールではなく、その場の判断である。
検証では、約定も再現条件に含める。 TradingViewのストラテジー仕様は、手数料、スリッページ、指値の未約定を設定できる一方、約定価格の仮定によって結果が変わることを説明している。 CFTCの仮想成績に関する注意も、実際の市場条件を経ていない約定価格は成績を過大にも過小にも見せうると警告している。
入口を作る前にチャート分析の順番をそろえ、数量はポジションサイズの決め方と資金管理の基本で計算する。 出口は損切り幅の決め方へ接続し、完成した仕様をバックテストの考え方で検証する。 一枚の仕様書に同じ前提がそろって初めて、結果の差をルールの差として比較できる。
POINT
裁量を残す場合も、判断材料と選択肢を記録する。記録できない裁量は、検証のたびに別のルールへ変わる。
注意 / WARNING
バックテストは仮想的な結果であり、将来の成績を保証しない。合成価格、未来情報、過剰最適化、費用の未計上は結果を現実から遠ざける。
用語 / TERM
見送り条件とは、入口が成立しても発注しない条件である。流動性不足や重要イベントなど、検証と実運用の両方で同じ基準を使う。
FORMULA
取引数量 = 切り捨て(1回の許容損失 ÷ 1単位当たりの損失幅)
資金100万円、許容損失率1%、買値2,000円、損切り価格1,900円なら、費用を入れる前の上限は100株である。手数料と想定スリッページも許容損失に含める場合は、その分だけ数量を減らす。
02 — ルールを作る5段階
1
対象と判定時点を固定する
市場、銘柄群、時間軸、検証期間、判定に使う価格を記録する。日足の終値で判定するルールなら、場中の上抜けを同じ条件として数えない。
2
入口を数値で書く
方向、指標、期間、比較対象、発注時点を一文にする。例は「前日の終値が25日移動平均以下で、当日の終値が同平均を上回った翌営業日の始値に買い注文を出す」である。
3
出口と期限を先に決める
損切り、利確、時間切れの条件を、入口と同じ判定時点で定める。複数条件が同時に成立したときの優先順位も固定する。
4
許容損失から数量を出す
資金に許容損失率を掛け、1回の損失上限を決める。その上限を買値と損切り価格の差で割り、売買単位に合わせて切り捨てる。
5
見送りと費用を加える
決算発表日、売買代金、価格飛びなど、取引しない条件を列挙する。手数料、スプレッド、想定スリッページ、未約定の扱いを検証設定へ加え、変更履歴を残す。
03 — 曖昧な条件との違い
項目曖昧な条件再現可能な条件
対象動いている銘柄指定した市場の売買代金上位100銘柄
入口移動平均を強く上抜け終値が25日移動平均を下から上へ交差
出口弱くなったら売る終値が25日移動平均を下回るか、終値基準で5%下落
数量自信に応じて増減許容損失1万円を1単位の損失幅で割る
見送り相場が悪い日決算発表日と売買代金基準未達の日
04 — 検証前の確認
銘柄ごとに売買ルールを変えてよいですか?
変えること自体は可能だが、理由と変更時点を記録する必要がある。検証結果を見てから銘柄ごとに都合のよい条件へ変えると、過去への合わせ込みと実力を区別しにくくなる。共通条件を先に試し、差が必要な根拠を検証する順序が扱いやすい。
裁量判断を残しても検証できますか?
判断材料、選択肢、見送る基準を記録できれば比較は可能である。ただし「雰囲気がよい」のように観測者ごとに意味が変わる語は、そのままでは再現できない。画像と判断理由を保存し、後から同じ分類ができるか確かめる。
何回検証すれば十分ですか?
すべての市場に通用する回数はない。試行回数だけでなく、上昇、下落、横ばい、高ボラティリティを含む期間かを確認する必要がある。条件を作った期間とは別の期間でも、条件を変えずに照合する。
過去の成績が良ければ使えるルールですか?
過去の成績だけでは将来の有効性を判断できない。売買費用、約定条件、未来情報の混入、検証外期間の成績を確認しても、結果は仮想値である。実際に使う判断は、失っても計画を崩さない範囲と停止条件を別に定めて行う。
KEY TAKEAWAYS / まとめ
01対象、入口、出口、数量、見送り条件を検証前に固定する
02許容損失から数量を逆算し、手数料とスリッページを含める
03裁量は判断規則を記録し、検証外期間で条件を変えずに照合する
売買ルール仕様書の確認項目
- 対象市場、銘柄群、時間軸、判定価格が書かれている
- 入口、出口、時間切れの条件が数値で書かれている
- 許容損失と取引数量の計算式がある
- 見送り条件、手数料、スリッページ、未約定の扱いがある
- 検証期間と検証外期間を分け、変更履歴を残している